許可申請の手続
有料職業紹介事業を行おうとする事業主は、職業紹介を行う事業所ごとに必要書類を本店を管轄する都道府県労働局を経由して厚生労働大臣に提出しなければなりません。
許可基準
(1) 事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること。
A. 資産(繰延資産及び営業権を除く。)の総額から負債の総額を控除した額が500万円に申請者が有料職業紹介事業を行おうとする事業所の数を乗じて得た額以上であること。
B. 事業資金として自己名義の現金・預貯金の額が150万円に申請者が有料職業紹介事業を行おうとする事業所の数から1を減じた数に60万円を乗じた額を加えて得た額以上であること。
(2) 個人情報を適正に管理し必要な措置が講じられていること。
(3) 事業を適正に遂行することができる能力を有すること。
A. 代表者及び役員(法人の場合に限る。)は、欠格事由や以下に該当しないこと。
・ 貸金業、質屋営業を営む者にあっては、それぞれ許可等を受け適正に業務を運営していること。
・ 風俗営業、性風俗関連特殊営業、接客業務受託営業その他職業紹介事業との関係において不適当な営業の名義人または実質的な営業を行う者でないこと。
B. 職業紹介責任者に関する要件(職業紹介業務の従事者50人につき1人を選任)
職業紹介責任者は、欠格事由に該当する者その他適正な事業遂行を期待し得ない
者でないこと。
労働関係法令に関する知識及び職業紹介事業に関連する経験を有する者であるこ
と。
・ 職業紹介責任者講習を受講したものであること。(許可申請の受理の日の前5年以内の受講に限る。)。
・ 成年に達した後3年以上の職業経験を有する者であること。
C. 事業所に関する要件
有料職業紹介事業を行う事業所は、その位置、構造、設備、面積からみて職業紹
介事業を行うに適切であること。
・プライバシーを保護しつつ求人者又は求職者に対応することが可能であること。
(注意!!)
具体的には、個室の設置、パーティション等での区分により、プライバシーを保護
しつつ求人者又は求職者に対応することが可能である構造を有すること。
ただし、上記の構造を有することに代えて、以下の(a)又は(b)のいずれかに
よっても、要件を満たしているものと認めること。また、当分の間、以下の(c)
によることも認めること。
(a)予約制、近隣の貸部屋の確保等により、他の求人者又は求職者等と同室にならずに対面の職業紹介を行うことができるような措置を講じること。この場合において、当該措置を講じない運営がなされた場合には、許可の取消し対象となる旨の許可条件を付するものとすること。
(b)専らインターネットを利用すること等により、対面を伴わない職業紹介を行うこと。この場合において、対面を伴う職業紹介事業の運営がなされたときは、許可の取消し対象となる旨の許可条件を付するものとすること。なお、適切な苦情処理等の実施について必要な指導を行うものとすること。
(c)事業所の面積がおおむね20平方メートル以上であること。
D. 適正な事業運営に関する要件
・ 申請者が国または地方公共団体でないこと。
・ 有料職業紹介事業を会員の獲得、組織の拡大、宣伝等他の目的の手段として利用するものでないこと。
・ 事業主の利益に偏った職業紹介が行われるおそれのあるものでないこと。
・ その紹介により就職した者のうち、労働者災害補償保険法施行規則第46条の18第5号の作業に従事する者が、同法第35条第1項の規定により労働者災害補償保険の適用を受けることを希望した場合に、同項に規定する団体の代表者として所定の申請を行うものであること。
・ 法の条文の内容を含む業務の運営に関する規程を有し、これに従って適正に運営されること。
・ 徴収する手数料を明らかにした手数料表を有すること。
・ 他に名義を貸与するために、または職業紹介責任者となり得る者の名義を借用して許可を得るものでないこと。